前回は異なるネットワーク間の通信を実現する ルーティング の概要を学びました。
今回からは視点を切り替え、同一ネットワーク内で実際にどうやってデータがやり取りされているのか、その裏側の仕組みを1つずつ解剖していきます。
まずは、通信の土台となる MACアドレス から見ていきます。
第4回で学んだ通り、IPアドレスはサブネットマスクによって「ネットワーク部」と「ホスト部」に分かれており、2台の機器が同じネットワーク部を持っているかどうかで同一ネットワークに属しているかを判断します。
今回学ぶMACアドレスは、この「同一ネットワーク内」での通信を実現する仕組みの土台になります。

MACアドレス(Media Access Control Address) は、ネットワークインターフェース(LANカードなど)に割り当てられた 48bitの識別子 です。
IPアドレスが「論理的な住所」であるのに対し、MACアドレスは「機器そのものに紐づいた物理的な識別番号」というイメージを持っておいてください。
MACアドレスは、16進数2桁を6組、ハイフンやコロンなどで区切って表記されます。
例 00:1A:2B:3C:4D:5E
前半24bit(3組)は ベンダーコード(製造元を示す番号)
後半24bit(3組)は 各ベンダーが機器ごとに割り当てる固有番号
で構成されており、この組み合わせにより世界中で重複しない値になるよう設計されています。

これはTCP/IPモデルのカプセル化の仕組みそのものに理由があります。
以前学んだ通り、TCP/IPモデルでは上位層から順にヘッダ情報が付与され、最終的にネットワークインターフェース層の情報(宛先/送信元MACアドレスなどを含むフレームヘッダ)まで付与されて初めて、物理層で電気信号(あるいは光信号・電波)に変換して送信できる状態 になります。
言い換えると、インターネット層の情報(IPアドレス)までしか付与されていないデータは、まだ「どのネットワーク宛てか」は決まっていても、「同一ネットワーク内のどの機器に、物理的にどう送り出すか」が決まっていない、未完成の状態です。
ネットワークインターフェース層の情報が揃って初めてカプセル化が完了し、実際に信号として送信できるようになるという点を押さえておいてください。

次回は実際にフレームを転送する機器であるスイッチが、どのようにMACアドレスを扱っているのかを学びます。
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